無限連鎖

無限連鎖 (文春文庫)

無限連鎖 (文春文庫)

正直言って面白かった。
小説全般に飽きが見えていて、自分の感受性が落ちていたのかと不安だったんだけれど、久しぶりに震える作品だった。
アメリカに第二次同時多発テロが起こり、そして東京湾にシージャックされた石油タンカーと船員を人質に、テロリストたちは、日本政府に対して要求する、という作品。
楡らしくリアリティのあるサスペンス作品で現実に起こりそうな有りそうな不安を見せてくれる。しかし設定ではなく緊張感があり、これからの展開に期待を持たせるのは秀逸。
ただ、Cの福音シリーズのように主人公達が光ってはいない。だから後半での主人公達の強さは異常に見える。
そんなものさっ引いても面白いんだけどね。
評価4+