きらきらひかる

きらきらひかる (新潮文庫)

きらきらひかる (新潮文庫)


私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである―。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは。傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。
粗筋は文庫本より引用。

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件のブックオフ100円シリーズ。
いつも表紙とタイトルにつられて手に取り、そして裏の『恋愛小説』の文字を見つけて本棚に戻す江国香織
たまには読んでみようと思って読む。
のめり込みはせず、こんな描写をする人なんだなぁ、と一歩引いた視点から読んでいた。
恋愛小説というジャンルがそもそも分からない。
延々と「彼のことが好きだ」、「彼はこういう人間だ」、「彼は・・」「彼は・・・」、だから「私は・・・」という物なのだろうか。それだとするならばJPOPの歌詞の95%は純度100%の恋愛詩なんだ。
ただ、どうももう一つの傾向が見える。

  1. 恋愛とは普遍的な物である。
  2. 皆常によく経験している。
  3. 小説の登場人物の視点、ないし登場人物の相談者の視点で読む
  4. どういった行動をとるべきか?

っていう風に考えながら読む物としても読める。
アドベンチャーやSFの様に次ぎに来る展開を待つ読み物ではないのかもしれない。
ミステリのように神の視点で、どのような仕組みでこのような結果になったのかを導くもではない。
一登場人物の視点として読み進める物なのだろう。(この基準を適用するとひぐらしはミステリじゃないね)
さて、この小説についてなんだが、奇妙な設定を用意してその中で登場人物がイベントがなくだらだらと動く、といった風。破滅的な結末が描かれるわけでもない作品だった。
読んで心地の悪い物ではないし、小説として下手な物でもない。ただ一週間もすれば忘れる物じゃないかと思う。
読んだ翌々日に同じサークルの人にあげちゃったので、本棚で表紙を見て思い出すこともないでしょう。
評価2