fiction
二千十七年十一月投下
生長する木を、振り子時計の振り子部分に取り付ける。
毎日成長するのが楽しみだ。少しづつ変化していく木はなんてすてきなんだろう。
分からないからといって、起こっていないなんて事はない。なんて考えて苦笑。
二千二十七年十一月発か
木が大きくなっている。しかし写真と見違えなければ、私には決してわからない。
しかし偶にくる友人達にはその変化がわかる様だ。何故毎日世話をする私にだけ、変化を示さない。
二千三十五年十一月此処のか
木の生長を知るために目印を付ける。今更気づく。
翌日。(何故か日記にはこの表現がない。)
目印が変化しているようだ。大時計にまっすぐ引いたのに曲がって見える。これはミステリーだ。(なんて事は大方書き手を過ち。)
翌日。(翌々日と小説では書かれる)
私は死んだよう。時計と木の生長が確かめられないのが残念だ。
――時計は大きく高く生長していた。そして持ち主のジェンキンス氏のホテルには今も時計をみるために客が来る。そして後に有名な童話になった。