先発六番手の復活

ポーカーフェイスと言われ、感情を表に出さない事で有名だが、
今日のヒーローインタビューでは、帰ってきた思いが、
取り戻した自身がはっきりと見て取れた。

立ち上がりから苦しく、二回を終わって五安打。変化球もうまく決まらず、失点こそないものの苦しいスタート。

その後も様々な球種を試していくが、「抑える」ではなく「かわす」投球が続いていく。

しかし六回を終えて一失点。球場にいるファンは思い出しただろう。彼は不調でも、こうやって試合を作ってくれる、勝つエースだった。

中継ぎが頼りなければ、失点してもバランスの良い投球で9回まで投げ切る。ここ一番でその日の一番いいボールを投げる。クローザーとなった昨年も負けにならない失点に対して感情は示さない男だった。

六回一失点。かつての沢村賞投手の復活試合としては不十分に見えるかもしれない。しかし涌井秀章の復活試合としてはいいゲームだった。